人気作家の馮学栄さんが5月下旬に中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で、日本人を頭ごなしに拒絶したり、虚偽の情報を用いて「日本嫌い」を煽ったりする動きを厳しく非難したことで、中国では6月下旬になっても議論や新たな表明が続いている。

 馮さんが発表した文章は「仇日は病気。薬では治らない」。教育やテレビ、映画などさまざまな手段で日本に対する「恨みを生み育てている」ことで、個々の日本人を正しく評価する努力を放棄する人が多いと指摘。「仇日病」は「膏肓(こうこう)に入った」と表現した。

 馮さんはさらに、さまざまなデマが溢れていると主張。例えば、「(旧日本軍の)731部隊が中国人を殺して解剖している写真」などとして出回っている写真は、1928年に発生した済南事件で虐殺された日本人を検死した際の写真と指摘した。

 馮さんが「中国人の遺体とみなすのはおかしい」と感じたのは、衣服をはがされた女性の遺体が「日本人の和服にはつきものの足袋を履いていた」ことだったという。

 馮さんは、一連の写真が国会図書館など日本の複数の機関が所蔵していることもつきとめた。それでも「日本による中国人虐殺の証拠」と言い張る人がいると批判。馮さんは同文章に遺体の写真を複数枚添えて、実際には中国人がありとあらゆる方法で日本人を虐殺したことを示す資料と指摘した。

 馮さんは、虚偽まで用いて日本を恨む気持ちを煽ることを「不誠実であり、理性を喪失している」と非難した。

 馮さんに対しては、「口を極めた罵詈雑言」も寄せられた。一方で「作者を罵倒する者がいることが、作者の主張が正しいことを示している」、「過去のことで、長期にわたり他国を恨むのは、絶対に病気だ。どうしても直さねばならない」などの賛同も寄せられた。

 ポータルサイトの捜狐は6月20日、馮さんの文章に絡めて、反日」に対する日本人の反応を紹介した。日本人が寄せたとして、「わが民族は寛容だなあ。他の国だったら、とっくに中国に宣戦布告している」、「両国の民度の差がどれほどか、よく見よう」、「中国人の反日は無知によるものだから、病気とは思わない。韓国人の場合は病気」、「日本に来てショッピングをするのを禁止しよう」などの意見を掲載した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:CNSPHOTO/2009年2月に発生した反日デモ)