顔に日の丸のペイントをしてもらう女性サポーター<br>

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 白紙撤回された2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレム。11月24日から新しい大会エンブレムのデザインの応募受け付けがホームページ上で始まりました。ところで、日本の国旗である「日の丸」のデザインが変わっていたことをご存じでしょうか? 今から16年前の1999年のことですが、見た目では、ほとんど違いがわかりません。きっかけは「国旗及び国歌に関する法律」の制定でした。

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国旗及び国歌に関する法律とは

 1999年に施行された「国旗及び国歌に関する法律」の第1条には「国旗は、日章旗とする」とあります。そのデザインについては以下のように定められています。

【寸法の割合及び日章の位置】
縦 横の三分の二(=縦の長さは横の三分の二)

【日章】
直径 縦の五分の三(=直径 は縦の五分の三)
中心 旗の中心

【彩色】
地 白色
日章 紅色

 この法律ができる前から、日の丸はオリンピックなど国際的な場面でも国旗として扱われていましたが、国旗として定めた法律は戦前も戦後もなかったそうです。

どこが変わった? 大臣官房に聞きました

 法律ができたことで、それまでのデザインとどこが変わったのか? 内閣府の大臣官房総務課に話を聞きました。

 ――日の丸のデザインはいつ変わったのですか?

 「日の丸(日章旗)が正式に国旗として定められたのは、1999年の『国旗及び国歌に関する法律』が施行されたときです」

 ――それまで使われていた日の丸は、何かの法律などに基づいていたのですか?

 「明治3年に制定された『商船規則』のなかで、日の丸について定めていました。この規則は『国旗及び国歌に関する法律』が施行されたのに合わせて廃止されました」

 ――なぜ、商船規則で日の丸について定めていたのでしょうか?

 「日本の船だということがわかるようにするために日の丸が使われていたことから、商船規則で定めたようです。これに基づいて作られたものが、実質的に国旗として使用されていたようです」

 ――当時の日の丸と、国旗になった日の丸で違いはありますか?

 「現在使われている日の丸の縦横比は、およそ2対3ですが、当時は7対10だったそうです。また、丸い『日章』の中心についても、現在は旗の中心部分にあるのに対し、当時は旗竿をつける側に向かって100分の1ずれていたようです。日章がきれいな丸であることや、その直径が縦の長さの5分の3であることなどは変わっていません」

 ◇ ◇ ◇

 縦横比の違いや、日章の位置が異なっているとのこと。見た目ではほとんど気がつかないほどですが、デザインが変わったのは事実のようです。