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石油、天然ガス市場の近未来(勝つのは、あの国) [アメリカ 米国]

RPE Journal==============================================

 

 

 

     ロシア政治経済ジャーナル No.1651 

 

 

                                2017/11/24

 

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石油、天然ガス市場は、これからどうなっていくのでしょうか?

 

 

★石油、天然ガス市場の近未来(勝つのは、あの国)

 

 

全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!

 

北野です。

 

 

 

最近、「シェール革命、シェール革命」と騒がなくなりました。

 

「当たり前」になったのでしょう。

 

しかし、シェール革命は、「本当の革命」でした

 

それで、世界の構造が変わってしまったからです。

 

 

 

▼エネルギー市場の近未来

 

 

 

ブルームバーグ1120日で、国際エネルギー機関(IEA)ビロル

事務局長のインタビューを見ることができました。

 

 

ビロル局長は何を語ったのでしょうか?

 

 

「今後10年ほどの間に、

 

アメリカの原油生産量は、

 

日量1700万バレルに到達します。

 

そうなれば、アメリカと第2位の国との間に、

 

大きな差が生まれるでしょう。」

 

 

 

ほほ~。

 

アメリカは、シェール革命のおかげで、原油生産量トップをば

く進すると。

 

サウジアラビアやロシアの追随を許さなくなると。

 

 

 

「さらに、今後10年間を予想してみると

 

世界的な原油生産の伸びの

 

8割以上がアメリカとなります。」

 

 

 

つまり、アメリカが原油増産を牽引するということですね。

 

サウジやロシアの生産は、それほど増えない。

 

 

そのことは、市場にどのようなインパクトを与えるのでしょう

か?

 

 

「つまり、

 

市場に原油の供給量が増えることになりますので、

 

物価には下落圧力がかかるでしょう。」

 

 

 

供給量が多いので、原油価格は上がらない。

 

エネルギー価格が安いので、生産コストも安くなり、物価は上

がらない。

 

 

天然ガスは、どうでしょうか?

 

 

「天然ガスに関しても、

 

同じようなことが言えます。

 

アメリカにおけるシェールと

 

天然ガスの生産量は、

 

大幅に増大します。」

 

 

 

アメリカでは、原油だけでなく、天然ガスの生産量も激増する

のですね。

 

 

「ここでも今後10年で

 

アメリカとロシアの間に30%以上の違いが生じるでしょう。

 

アメリカのガス生産量が、

 

ロシアを3割上回るということです。」

 

 

 

今まで、「天然ガス」といえばロシアでしたが、こちらもアメ

リカの時代です。

 

 

 

「多くの液化天然ガスが輸出にまわり、

 

世界の天然ガス市場は、

 

オペレーションや価格の見直しを迫られることになります。

 

米シェールブームで、

 

石油・ガス市場は、大変動が引き起こされるでしょう。」

 

 

出所はこちら↓

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171120-00000541-bloom_v-int

 

 

 

▼シェール革命が世界を変えた

 

 

 

シェール革命がどう世界を変えたのか、復習しておきましょう。

 

 

オバマさんが大統領になったのは、「100年に1度の大不況」が

最悪だった2009年。

 

彼は当時、「グリーン・ニューディール」といっていました。

 

つまり、環境に優しいエネルギーを普及し、同時に経済も活性

化させようと。

 

これも確かに進みましたが、「革命」というほどではありませ

んでした。

 

 

しかし、ラッキーボーイのオバマさん時代、「シェール革命」

が爆発的スピードで進展します。

 

 

そして、アメリカ、今では原油生産量世界1位なのです。

 

ちなみに2位はサウジアラビア、3位ロシア。

 

 

アメリカは、天然ガス生産量でも世界一。

 

2位はロシア、3位はイランです。

 

 

 

アメリカは、オバマさんの時代に、「エネルギー超大国」にな

った。

 

このことは、世界をどう変えたのでしょうか?

 

 

アメリカは、(資源がたっぷりある)中東への関心を失ったの

です。

 

ブッシュ(子)が大統領になった2001年。

 

「アメリカの原油は、2016年までに枯渇する」と報告されてい

ました。

 

 

それで、アメリカがイラクを攻めたのは、「石油利権をゲット

するため」といわれていた。

 

これ、「トンデモ」でも「陰謀論」でもありません。

 

FRBのグリーンスパンさんは、「誰でも知ってる事実」と断言

しています。

 

 

ところがシェール革命で、「アメリカに石油・ガスが、山ほど

ある」ことになった。

 

 

それで、オバマは、「もう中東は必要ない!」と考えた。

 

結果、アメリカとサウジアラビア、イスラエルの関係は、とて

も悪くなりました。

 

逆に、アメリカと(サウジ、イスラエルと敵対する)イランの

関係はよくなり、「核合意」にいたった。

 

 

現在のトランプさんは逆で、サウジアラビア、イスラエルと良

好な関係にあります。

 

 

しかし、それは、「トランプとネタニヤフ首相は個人的に親し

い」

 

とか、

 

「娘イヴァンカの夫のクシュナーさんはユダヤ人」

 

とか、「個人的感情」に基づいたもの。

 

 

「中東の資源が絶対必要だから」という、かつての「国益」と

は、レベルが全然違うのです。

 

 

今、中東は、とてもゴチャゴチャし、わけがわからなくなって

きています。

 

そして、アメリカがひいた隙に、ロシアが勢力を伸ばしている。

 

 

ソ連は。崩壊後15の国に分裂しました。

 

ユーゴスラビアも分裂した。

 

強い権力が突然消えると、カオスが訪れます。

 

 

今中東で起こっていることは、「アメリカがこの地域への関心

を失ったこと」が理由なのです。

 

 

いずれにしても、アメリカで起こった「シェール革命」は、世

界を変えました。

 

おかげさまでエネルギー価格が安くなり、日本にはありがたい。

 

一方、ロシア、サウジ、ベネズエラ、カザフスタンなど、資源

輸出でもっている国々は、これからも苦しい時代がつづくでしょ

う。


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