近代資本主義を襲う異次元の「最終バブル」崩壊 ジム・ロジャーズさんが? [アメリカ 米国]
【RPE】★最終バブル崩壊論
RPE Journal==============================================
ロシア政治経済ジャーナル No.1702
2018/2/13
===========================================================
今起こっていることは、「最終バブル崩壊」なのでしょうか??
RPE Journal==============================================
ロシア政治経済ジャーナル No.1702
2018/2/13
===========================================================
今起こっていることは、「最終バブル崩壊」なのでしょうか??
★最終バブル崩壊論
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
前号は、「世界三大投資家」のジム・ロジャーズさんが、
「弱気相場に入る時は、人生最悪のものとなろう」
と語っているというお話でした。
「人生最悪」ということは、当然「リーマン・ショック」より
も悪い。
今日は、ブルームバーグ2月9日に掲載されていた、
【最終バブル崩壊論】
をご紹介します。
「最終バブル崩壊論」というのは、私が勝手に名づけました。
記事の題名は、
<近代資本主義を襲う異次元の「最終バブル」崩壊>
といいます。
「北野がメチャクチャ大げさにした!」と批判されることはな
いでしょう。
筆者は、山広恒夫先生。
何が書いてあるのでしょうか?
▼実は、「世界恐慌時」よりもひどい今回の暴落
<トランプ第45代大統領は今世紀最悪のバブル崩壊に見舞われ
るリスクが高くなってきたようだ。>
いきなり「今世紀最悪のバブル崩壊に見舞われる」ときました。
つまり、「ITバブル崩壊」よりも「リーマン・ショック」よ
りもひどいと。
筆者の山広恒夫先生は、今回の暴落と、1929年の「世界恐慌」
を比較します。
<「トランプ相場」と呼ばれるトランプ大統領就任に伴う株高
は、フーバー大統領の就任後の株高と非常によく似ている。
今年1月26日に株価がピークを付けた後、9営業日の下げとし
ては、1929年9月3日にピークアウトした当時よりも急激だ。
下記のチャートはダウ工業株30種平均が29年9月3日に記録し
たピークと同指数が今年1月26日につけたピークを重ねたもの
である。ピークを付けた後の切り込みは今回の方が急激だ。 >
(同上)
今回の暴落、実は「世界恐慌時よりもひどい」と。
あまりそういう指摘がないのは、一般的に「アメリカの景気は
非常にいい」と思われているからでしょう。
さて、1929年は、その後どうなったのでしょうか?
<1929年当時は株価のピークアウトと同時に景気縮小期(赤
の縦じま)に入り、大恐慌へと沈んでいく。株価は同年10月
24日の「暗黒の木曜日」などを経て、下げを加速した。 >
(同上)
1929年は、そのまま下げつづけ、ついに世界恐慌に入っていき
ました。
▼1929年と現在、世界情勢の類似点
次に山広先生は、1929年と現在の、世界情勢に目をむけます。
<独立戦争、南北戦争、さらに29年の株価暴落とそれに続く大
恐慌と、米国はおよそ70年の周期で大きな危機を克服して、こ
れまで発展してきた。
大恐慌は大英帝国の力が衰え、覇権国交代期の不安定な状況の
下で発生している。
米国はまだ、覇権国としての意識も能力も持っていなかった。 >
(同上)
1929年当時、イギリスの覇権は衰えていた。
アメリカは、覇権国になる準備ができていなかったと。
そのとおりですね。
<その後、米国はニューディール(新規まき直し策)の成功
と第2次世界大戦で勝利を収めて、覇権国に成長。
パクスアメリカーナ、つまり米国の覇権による世界の平和を
謳歌(おうか)する。
しかし、終戦から70余年経過して、米国型資本主義が限界に近
づく中で、再び覇権国交代の時期に差し掛かってきた。
だが、新たな覇権国がまだ十分に育っていないところは、大恐
慌の時とよく似ている。>(同上)
前回は、イギリスの覇権がゆらいでいた。
今回は、アメリカの覇権がゆらいでいる。
前回、アメリカは覇権国になる準備ができていなかった。
今回、次の覇権国になる準備ができている国はない。
似てるよねと。
これもその通りですね。
▼「最終バブル」の意味
しかし、
山広先生は、1929年と今回では、意味が全然違うのだよとい
う話をします。
<ただし、大きく異なる点がある。
それは、大恐慌は米国資本主義経済が大きく飛躍する直前の
準備期間だったことだ。
一方、これから始まる覇権国の交代は、米国資本主義が衰退
に向かう中で起こる。
つまり、米国の建国以来230年余にわたり発展してきた米国
型近代資本主義の衰退期で生じた「最終バブル」といっても
言い過ぎではないだろう。 >
前回、アメリカは、世界恐慌→ 世界大戦を通して、大きく
飛躍した。
実際、覇権国家になっています。
今回は、「米国型近代資本主義の衰退期」でバブルが起きた。
要するに、「バブル崩壊後、アメリカはさらに衰退する」と。
これ、世界恐慌と第2次大戦を経て飛躍したアメリカ、世界中
の植民地を失い没落したイギリスの運命を思いだせばわかりま
すね。
(今のアメリカは、当時のイギリスの立場。)
今回が「最終バブル」なのかわかりません。
しかし、上の話、「国家ライフサイクル論」からも、とても納
得できます。
▼この記事をどう読むか
株の暴落を世界情勢や覇権交代に結びつけた、非常に「大きな
視点」の記事です。
「リーマン・ショック」が起こった時も、
「資本主義の終焉」といった本、記事が、山ほどでていました。
「当たってないじゃん!」と思う人はたくさんいるでしょう。
確かに資本主義は終わっていませんが、それでも世界は大きく
変わりました。
昔からの読者さんはご存知ですが、私は05年に「ボロボロにな
った覇権国家アメリカ」
という本を出版しました。
簡単にいえば、「アメリカ発の危機が起こって、この国は没落
する」という本です。
当時は、「そんなアホな!」といわれたものです。
しかし、08年に「100年に1度の大不況」が起こったので、誰か
らも文句をいわれなくなりました。
この危機の後も、アメリカは存在しています。(当たり前です
が。)
しかし、08年前後で、世界は確実に変わりました。
08年まで、「アメリカ一極世界」だった。
08年後、「米中二極世界」になった。
上の記事も、とても大きな話をしています。
そして、方向性は、間違いないと思います。
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
前号は、「世界三大投資家」のジム・ロジャーズさんが、
「弱気相場に入る時は、人生最悪のものとなろう」
と語っているというお話でした。
「人生最悪」ということは、当然「リーマン・ショック」より
も悪い。
今日は、ブルームバーグ2月9日に掲載されていた、
【最終バブル崩壊論】
をご紹介します。
「最終バブル崩壊論」というのは、私が勝手に名づけました。
記事の題名は、
<近代資本主義を襲う異次元の「最終バブル」崩壊>
といいます。
「北野がメチャクチャ大げさにした!」と批判されることはな
いでしょう。
筆者は、山広恒夫先生。
何が書いてあるのでしょうか?
▼実は、「世界恐慌時」よりもひどい今回の暴落
<トランプ第45代大統領は今世紀最悪のバブル崩壊に見舞われ
るリスクが高くなってきたようだ。>
いきなり「今世紀最悪のバブル崩壊に見舞われる」ときました。
つまり、「ITバブル崩壊」よりも「リーマン・ショック」よ
りもひどいと。
筆者の山広恒夫先生は、今回の暴落と、1929年の「世界恐慌」
を比較します。
<「トランプ相場」と呼ばれるトランプ大統領就任に伴う株高
は、フーバー大統領の就任後の株高と非常によく似ている。
今年1月26日に株価がピークを付けた後、9営業日の下げとし
ては、1929年9月3日にピークアウトした当時よりも急激だ。
下記のチャートはダウ工業株30種平均が29年9月3日に記録し
たピークと同指数が今年1月26日につけたピークを重ねたもの
である。ピークを付けた後の切り込みは今回の方が急激だ。 >
(同上)
今回の暴落、実は「世界恐慌時よりもひどい」と。
あまりそういう指摘がないのは、一般的に「アメリカの景気は
非常にいい」と思われているからでしょう。
さて、1929年は、その後どうなったのでしょうか?
<1929年当時は株価のピークアウトと同時に景気縮小期(赤
の縦じま)に入り、大恐慌へと沈んでいく。株価は同年10月
24日の「暗黒の木曜日」などを経て、下げを加速した。 >
(同上)
1929年は、そのまま下げつづけ、ついに世界恐慌に入っていき
ました。
▼1929年と現在、世界情勢の類似点
次に山広先生は、1929年と現在の、世界情勢に目をむけます。
<独立戦争、南北戦争、さらに29年の株価暴落とそれに続く大
恐慌と、米国はおよそ70年の周期で大きな危機を克服して、こ
れまで発展してきた。
大恐慌は大英帝国の力が衰え、覇権国交代期の不安定な状況の
下で発生している。
米国はまだ、覇権国としての意識も能力も持っていなかった。 >
(同上)
1929年当時、イギリスの覇権は衰えていた。
アメリカは、覇権国になる準備ができていなかったと。
そのとおりですね。
<その後、米国はニューディール(新規まき直し策)の成功
と第2次世界大戦で勝利を収めて、覇権国に成長。
パクスアメリカーナ、つまり米国の覇権による世界の平和を
謳歌(おうか)する。
しかし、終戦から70余年経過して、米国型資本主義が限界に近
づく中で、再び覇権国交代の時期に差し掛かってきた。
だが、新たな覇権国がまだ十分に育っていないところは、大恐
慌の時とよく似ている。>(同上)
前回は、イギリスの覇権がゆらいでいた。
今回は、アメリカの覇権がゆらいでいる。
前回、アメリカは覇権国になる準備ができていなかった。
今回、次の覇権国になる準備ができている国はない。
似てるよねと。
これもその通りですね。
▼「最終バブル」の意味
しかし、
山広先生は、1929年と今回では、意味が全然違うのだよとい
う話をします。
<ただし、大きく異なる点がある。
それは、大恐慌は米国資本主義経済が大きく飛躍する直前の
準備期間だったことだ。
一方、これから始まる覇権国の交代は、米国資本主義が衰退
に向かう中で起こる。
つまり、米国の建国以来230年余にわたり発展してきた米国
型近代資本主義の衰退期で生じた「最終バブル」といっても
言い過ぎではないだろう。 >
前回、アメリカは、世界恐慌→ 世界大戦を通して、大きく
飛躍した。
実際、覇権国家になっています。
今回は、「米国型近代資本主義の衰退期」でバブルが起きた。
要するに、「バブル崩壊後、アメリカはさらに衰退する」と。
これ、世界恐慌と第2次大戦を経て飛躍したアメリカ、世界中
の植民地を失い没落したイギリスの運命を思いだせばわかりま
すね。
(今のアメリカは、当時のイギリスの立場。)
今回が「最終バブル」なのかわかりません。
しかし、上の話、「国家ライフサイクル論」からも、とても納
得できます。
▼この記事をどう読むか
株の暴落を世界情勢や覇権交代に結びつけた、非常に「大きな
視点」の記事です。
「リーマン・ショック」が起こった時も、
「資本主義の終焉」といった本、記事が、山ほどでていました。
「当たってないじゃん!」と思う人はたくさんいるでしょう。
確かに資本主義は終わっていませんが、それでも世界は大きく
変わりました。
昔からの読者さんはご存知ですが、私は05年に「ボロボロにな
った覇権国家アメリカ」
という本を出版しました。
簡単にいえば、「アメリカ発の危機が起こって、この国は没落
する」という本です。
当時は、「そんなアホな!」といわれたものです。
しかし、08年に「100年に1度の大不況」が起こったので、誰か
らも文句をいわれなくなりました。
この危機の後も、アメリカは存在しています。(当たり前です
が。)
しかし、08年前後で、世界は確実に変わりました。
08年まで、「アメリカ一極世界」だった。
08年後、「米中二極世界」になった。
上の記事も、とても大きな話をしています。
そして、方向性は、間違いないと思います。
タグ:バブル崩壊
コメント 0