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現政権が「押し付け憲法論」、「日本国憲法廃棄」を主張するのは、外交的にきわめて危険です。安倍総理が打ち出した「96条の先行改正」という政治戦略は、妥当だと思います。 [日本再生]

押し付け憲法論

石原慎太郎議員が日本国憲法は廃棄すべき出ると、主張しています。彼の発言は、従来からあった「押し付け憲法論」を再考する機会を、国民に与えました。この論拠は三つあります。

1、ハーグ陸戦条約 第43条

1907年(明治40年)に署名されたハーグ陸戦条約(日本では明治45年条約第4号、「陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約」)の条約附属書「陸戦ノ法規慣例ニ関スル規則」の第43条に、「国の権力が事実上占領者の手に移りたる上は、占領者は、絶対的の支障なき限、占領地の現行法律を尊重して、成るべく公共の秩序及生活を回復確保する為施し得べき一切の手段を尽すべし。」(原文は片仮名体)と定められ、占領軍が占領地域の法律を尊重することを定めている。戦時慣習法では占領者が被占領者に対して憲法のような根本法の改正に介入あるいは命令する事は禁止されていると考えられています。

2、ポツダム宣言 第12項

前記諸目的が達成せられ、且日本国国民の自由に表明せる意思に従い平和的傾向を有し且責任ある政府が樹立せらるるに於ては、聯合国の占領軍は、直に日本国より撤収せらるべし。」(原文は片仮名体)との文言があることから、ポツダム宣言上も憲法改正を行うのであれば日本国民が主体的に行うべきであったにもかかわらず、連合国軍最高司令官総司令部などの強力な指導の下で決められたとの指摘がある。

3、「大日本帝国憲法」(明治22年2月11日公布) 第73条

大日本帝国憲法では、憲法の改正について、

  1. 勅命(天皇の命令)によって提案されて、
  2. 帝国議会の両議院(貴族院及び衆議院)の特別多数で可決されること(総議員の3分の2以上が出席した議会で、出席議員の3分の2以上の議員が賛成すること)

を要件としている。(現行憲法96条と比較せよ)

なお日本国憲法の制定は、この様な帝国憲法の改正手続を経て行われたものであるが、帝国憲法と日本国憲法では理念も制度も大きく違うので(例えば、前者は天皇主権であるのに後者は国民主権)、もはや「改正」の枠内で把握すべきではない、との学説(「8月革命説」など)も有力である。

以上三つの論拠に対して、護憲派は様々の反論を試みています。が、無理なこじ付けではないか、と思える話ばかりです。

しかし

戦争に負け占領されるとは、こういくこと。ドイツと比較して不公平だといったって、日本はアメリカにとって、アジア支配の橋頭堡なのだから、絶対に手放したくありません。

だから

現政権が歴史認識問題に深入りしたり、「押し付け憲法論」・「日本国憲法廃棄」を主張するのは、外交的にきわめて危険です。また国民の大多数が、96条改正を支持しています。

安倍総理が打ち出した「96条の先行改正」という政治戦略は、妥当だと思います。


タグ:96条
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コメント 1

NO NAME

ウエストファリア条約以後、ベルサイユ条約までは戦勝国が占領地で憲法の押し付けなどというみっともない振る舞いはほとんど起こっていませんよ。

ちなみにウィーン会議ではナポレオンがあれほど無茶苦茶な戦争をやってのけたにもかかわらず、賠償金も領土割譲もなく、ましてや敗戦国の指導者を法の場に引きずり出してリンチを加えるなどということはありませんでした。

戦争に勝ちさえすれば占領地における法、文化、伝統を好きなように変えられるという野蛮な考えはベルサイユ体制から復活し、日本の奴隷憲法によって世界の大勢となったのです。

実際に、アメリカは大義なきイラク侵略戦争を正当化する根拠に日本統治を持ちだしていますよ。。。

>現政権が歴史認識問題に深入りしたり、「押し付け憲法論」・「日本国憲法廃棄」を主張するのは、外交的にきわめて危険です。

外交的にきわめて危険であるという根拠が、少なくともこのエントリーには記されていませんが。。。

>安倍総理が打ち出した「96条の先行改正」という政治戦略は、妥当だと思います。

じゃあ、時の世論の2/3がご皇室廃止に賛成なら、単純過半数によってご皇室は無くなってしまうんだ。

民主党政権を誕生させたこの国の愚民なら、やりかねませんよ。
by NO NAME (2014-11-27 10:23) 

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